読書 「汚名」 島田斗志之
台風4号襲来で早々と戸締りし、夕食も早めに片付けて
図書館から借りていた本を読む
以前は台風というと映画を見にいったものですが
さすがに今はそんなエネルギーはなし、大人しく読書
面白くて一晩で読んでしまいましたので紹介します。
叔母の事を、わたしはこれまでよく知らずにいた。
とくに若い頃の叔母についてはほとんど何も知らなかった
叔母が逝ってからすでに30年だ。・・・・・・・・
まさかそんな歳月を経った今になって、
叔母の全貌に触れる事になるとは思いもしなかった。・・・・・
叔母の名は藍子という。
冒頭のくだりからこの本に引き込まれ一気に読んでしまいました。
(あらすじ)
高校一年生の私は藍子叔母の元に通いドイツ語を教えてもらっていた。
途中から従妹の美那も生徒に加わったが、叔母は私達にも無愛想で友だち付きあいもなく質素な生活にを見るにつけ叔母さんは何を楽しみに生きているのだろうと話したものだった。
やがてドイツ語の授業は叔母の都合で休業になる事がたびたびあり、ついに中止になった。さらに藍子叔母が通り魔に襲われ負傷するという事件が起きたが、事件について多くを語らず犯人も捕まらなかった。叔母はその後も一人で晩年を送り、51歳で寂しく死んでいった。
それから30年が経過し、私はもの書きとして生計を立てている。
講演を頼まれた私は会場で藍子叔母の大学時代の友人だったという老婆に呼び止められる。
彼女の家で叔母が映っているという当時の8ミリフィルムを見せられた
そこには若き頃の叔母が、ほがらかそうで、健康的な美しさをスクリーンで発散している信じられなかった。
人が歳をとって陰気になるのは珍しい事ではないけれども、叔母の変わりようはあまりにも落差が大きすぎる
藍子叔母の生涯に興味をおぼえた私は叔母の遺品の中から男性の手紙を発見する。
手紙の差出人兼井欣二、彼を訪ねるが15年前に亡くなっており、兼井欣二が生前書いていたという手記を遺族から借り読み始める。そこにはかつて日本を揺るがしたゾルゲ事件と一人の男性を愛し、それゆえに晩年を孤独で
すごした叔母の真実があった。
これから読む人の為にも・・・・・・・ここまで!
文章が淡々としていて、それでいて読む人を引き付ける、映像をみているような感じ、多島斗志之(としゆき)さんの本は初めてでしたが、静かな感動と余韻を残してくれた本でした。他の本も読んでみたいとおもいます。
今日もコヒータイムにつきあって下さって
ありがとうございます!
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